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高山城(群馬県藤岡市) [古城めぐり(群馬)]

IMG_8876.JPG←天屋城の二重堀切
 高山城は、この地の豪族高山氏の居城である。高山氏は、坂東八平氏の一、秩父氏の庶流で、秩父重綱の3男重遠が上野国高山邑に分封されて高山氏を称したことに始まる。1180年に木曾義仲が挙兵すると、高山重久は信濃横田河原の戦いに参加し、以後『吾妻鑑』の各所にその名が見える。南北朝時代の『太平記』にも高山遠江守・越前守の名が記されている。山内上杉氏が上野守護となると、高山氏は上杉氏に従い、その重臣となった。1552年に山内上杉氏の居城平井城が落城して小田原北条氏の勢威がこの地に及ぶと北条氏に服属し、1560年に越後の上杉政虎(謙信)が越山すると、再び上杉氏に従った。甲斐の武田信玄が西上州の攻撃を開始すると、1563年に高山氏は武田氏に服属した。しかし1582年、武田氏が織田信長に滅ぼされ、信長の重臣滝川一益が上野に入るとこれに従った。わずか3ヶ月後、信長が本能寺で横死すると、北条氏直は神流川の戦いで滝川氏を破り、滝川氏は本領の伊勢へと落ち延び、西上州は北条氏の支配下に入った。高山遠江守定重は、神流川合戦で滝川方として奮戦したが、戦後は北条氏に服属した。1585年、北条氏が由良国繁の金山城を接収すると、定重は金山城の西城に在城した。1590年の小田原の役の際には、高山氏は小田原城に立て籠もり、北条氏滅亡と共に没落した。

 高山城は、山内上杉氏の居城平井城の南方1.2kmに位置している。高山氏と山内上杉氏との密接な関係が窺われる位置関係である。高山城は、山上の天屋城、山腹の要害山城、鮎川に突き出して築かれた山麓の百間築地の砦など、大きく3つのブロックから構成された大型の複合城郭である。
 まず百間築地の砦は、「鮎川温泉 金井の湯」と言う施設の南の段丘上にある。畑や耕作放棄地、空き地などになっているが、その一角に石垣が残っている。「残っている」とは言うもののほとんどは復元なのだろう。段丘の北辺部に20m程の復元石垣があり、その他に2ヶ所、櫓台状の方形の石垣が見られるが、往時はどのような構造となっていたのかは、現状からでは皆目見当がつかない。東側に大手があったとされ、大手口の近くに両側を谷状の空堀を穿った馬出しとされる平場も確認できる。
 次の要害山城は、百間築地からの比高40m程の北西に突き出た山陵上に築かれている。独立性の高い砦で、山稜北端のピークに石祠のある主郭を置き、北側に2段の腰曲輪を築き、その下方に円弧状の横堀を穿って防御している。横堀には土橋が架かり、東側では尾根に並行して長く堀と土塁が伸びている。この先で、尾根上に登る城道と虎口が残っている。この尾根上の虎口と要害山城主郭との間は、なだらかな自然地形の尾根が伸びているだけである。虎口から南東に登ると広い平場が広がっており、城主居館か何かが置かれていた様に想像される。切岸に一部石垣が見られるが、往時の遺構なのか、近世の耕地化によるものなのかは不明である。
 最後の天屋城は、標高297.3mの山上にそびえている。城への道は途絶しているので、結構な斜面を直登するしかない。三角点のある北端のピークに主郭を置き、周囲に2段程の腰曲輪を巡らしている。更に北西尾根に堀切と2段の段曲輪を置き、南東尾根にも3段程の段曲輪を築いている。一方、主郭の南西に伸びる主尾根に、3本の堀切と曲輪を連ね、その先に大きな岩の尾根が続いた後、二重堀切が穿たれている。その先の尾根南端は物見台状のピークとなっている。この主尾根の堀切はいずれも中規模のものだが、岩盤削り出しのごつい形状のものである。また主尾根の東側には二重竪堀が1ヶ所、西中腹には大きく湾曲した大竪堀が穿たれている。この他、天屋城の東と西に伸びる稜線上に堡塁群があった様だが、周辺がゴルフ場となった為、東のものは湮滅し、西のものはゴルフ場を突っ切らないと辿り着けないので、未見である。
 高山城は、なかなか見応えのある遺構が残っており、一見の価値がある。天屋城の堀切の感じは長野の山城に似ており、武田氏支配時代に改修されたものかもしれない。
要害山城の横堀→IMG_8681.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆☆
 場所:【百間築地の砦】
    http://maps.gsi.go.jp/#16/36.210736/139.027004/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0f1
    【要害山城】
    http://maps.gsi.go.jp/#16/36.209040/139.027627/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0f1
    【天屋城】
    http://maps.gsi.go.jp/#16/36.207983/139.030223/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0f1


関東の名城を歩く 北関東編: 茨城・栃木・群馬

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  • 出版社/メーカー: 吉川弘文館
  • 発売日: 2011/05/31
  • メディア: 単行本


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