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一乗谷朝倉氏遺跡(福井県福井市) [古城めぐり(福井)]

IMG_7505.JPG←居館跡の水堀と土塁
(2004年8月、2005年3月訪城)
 一乗谷朝倉氏遺跡は、日本城郭大系等では一乗谷城と表記される、越前の戦国大名朝倉氏の本拠地である。朝倉氏は、南北朝動乱の際に足利氏の一族斯波高経に従って越前に入部した豪族で、代々越前守護斯波氏の被官であった。戦国朝倉氏の初代孝景は、応仁の乱の際に当初西軍に於いて斯波義廉麾下で縦横無尽の活躍をしたが、1471年、東軍の主将細川勝元の誘いを受け、越前守護に匹敵する地位と引換えに東軍に寝返った。それ以後、同じ斯波氏麾下であった越前守護代甲斐氏らと激しい敵対関係となったが、次第にこれを圧して反朝倉勢力や主家斯波氏までも追放し、越前一国を実質的に掌握した。以後、越前一向一揆などと激しい抗争を繰り返しながら5代100余年にわたって戦国大名として越前に君臨した。朝倉氏は一乗谷を本拠として城下町を整備し、戦乱の京都から避難してきた多くの文化人達を保護し、京都に劣らぬ文化の花をこの地に咲かせた。1566年、5代義景の時、将軍への野望に燃えた足利義昭は、難を逃れて朝倉氏を頼って越前に来たが、義景は起つことなく遊興に耽る日々を送ったため、義昭は義景を見限って織田信長の元に去った。1568年、信長は義昭を奉じて上洛し、天下の権を手中に収めた。義景は、同じ斯波氏被官であった織田氏に対する対抗心が強かったと考えられ、信長と敵対関係となった。1570年、信長は越前に侵攻したが、敦賀金ヶ崎城で近江浅井氏の裏切りを知り、急遽全軍撤退した。同年6月、姉川で朝倉・浅井連合軍対織田・徳川連合軍が激突し、織田方が勝利を収めた。1573年、信長が近江に大挙侵攻して浅井氏の居城小谷城を攻めると、朝倉義景は援軍として近江に着陣したが、出城を落とされて撤退を始めると信長に追撃され、刀禰坂で大敗した。義景は疋檀城を経由して一族の朝倉景鏡の本拠越前大野に敗走したが、景鏡の裏切りにあって自刃して果てた。信長は、柴田勝家を先鋒として一乗谷に攻め込み、朝倉氏の栄華を焼き尽くしたと言う。

 一乗谷朝倉氏遺跡は、中心部の朝倉氏居館を始め、多くの遺構群からなる。朝倉氏居館には、土塁と水堀が巡らされ、櫓台跡が残るほか、発掘された建物礎石や庭園跡(湯殿跡庭園)が残る。また周辺にも諏訪館跡庭園や朝倉景鏡を始めとする家臣団屋敷、町家の遺構が発掘復元されている。谷の北側入口には水堀と土塁と石積みで構成された下木戸があり、枡形を形成している。南側にも上木戸の土塁と空堀が残っている。上木戸の南には、朝倉義景が足利義昭のために建てた御所跡も残る。

 私が最初にここを訪れた時は、福井豪雨から1ヶ月しかたっておらず、一乗谷周辺には豪雨の傷跡が生々しく残っていた。越美北線の鉄橋は足羽川に無残な姿を晒し、一乗谷遺跡も洪水の傷跡の修復が開始されたばかりだった。完全復旧はされていないものの、とりあえず復旧された部分だけ無料で公開されていた。また、居館の背後の一乗城山には詰城の一乗城があるが、英林塚裏の登山道は途中で豪雨によって崩落していた為登城を断念した。今から思えば、装備も丸腰に近く、地形図さえ持たない状態で比高400mの峻険な山城に登らなかったのは、幸いだったと言うほかはない。まだ山城の怖さを知らない頃だったので、登っていたら大変なことになっていたかもしれない。

 それはともかく、国の史跡に指定されているだけあって、大々的に発掘復元されており、また戦国時代の城下町がほとんど当時のままの姿で復元されている稀有な例であり、興味は尽きない。信長に焼き払われて歴史の中に埋もれたことが、かえって中世そのままの遺構を現代まで残すことになったとは、歴史の皮肉としか言いようがない。
下木戸の枡形→IMG_7453.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/35.999431/136.295432/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0f1
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コメント 2

ねじまき鳥

下木戸の枡形の石垣の石は大きいね。
by ねじまき鳥 (2011-04-01 23:42) 

アテンザ23Z

>ねじまき鳥さん
確かに近世城郭に匹敵する大きさですね。
戦国朝倉氏の強勢を物語るものでしょう。
by アテンザ23Z (2011-04-02 06:57) 

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