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下妻城(茨城県下妻市) [古城めぐり(茨城)]

IMG_8076.JPG←本丸の塁線跡
 下妻城は、多賀谷城とも呼ばれ、結城四天王の一家多賀谷氏の本拠である。多賀谷氏は、武蔵多賀谷郷を本領とする多賀谷左衛門尉家政を祖とする。南北朝時代に下総結城氏に属して、その家人となった。永享の乱で足利持氏が滅ぶと、1440年、結城氏朝らはその遺児安王丸・春王丸を奉じて結城城に立て籠もって結城合戦が勃発した。幕府の大軍に攻め囲まれながらも一年余りに渡って頑強に抵抗を続けたが、遂に攻撃の前に敗れ結城城は落城した。名族結城氏は一旦滅び、多賀谷氏も一族の多くが結城合戦で討死したが、多賀谷彦次郎が氏朝の一子成朝を抱いて脱出した。後に鎌倉府が再興され、足利成氏が鎌倉公方になると、成朝を取り立てて結城氏を再興した。こうして主家再興に大功のあった多賀谷氏は、1454年には鎌倉公方成氏の命で関東管領上杉憲忠を急襲して憲忠の首級をあげ(享徳の乱の勃発)、その賞として下妻庄内に三十三郷を与えられ、結城氏の家臣ながら関東諸将の会合に列席する地位を得た。また『鎌倉大草紙』によれば、憲忠の首実検の際に「憲忠は管領なので庭に置いてはいけない」として庭に畳を敷き、その上に多賀谷祥英を座らせて首実検を行ったことから、これ以後多賀谷氏が公方の元に出仕した時には、陪臣にも関わらず庭に畳を敷いて拝謁することが例になったと言う。また多賀谷の姓はこの時拝領したとも伝えられている。そして康正年間(1455~57年)に新たに下妻城を築いて居城とした。こうして勢力を伸ばした多賀谷氏は、結城氏の家臣とは言うものの半ば独立した領主として活動した。戦国時代に入り、小田原北条氏の勢力が伸びてくると、多賀谷政経は北条方に付いた主家結城氏と別行動を取り、関東に出馬した上杉謙信の陣営に加わり、北条氏に抵抗した。その後政経は、同じく北条氏に敵対した佐竹氏との同盟関係を強めて行った。政経は、岡見氏の拠る谷田部城を攻略し、南進の前線拠点としたが、岡見氏はこれに対し、牛久城を拠点に北条氏の支援を受け、多賀谷氏に対抗した。政経が死ぬと、その後を継いだ重経は、更に佐竹氏との結び付きを強め、北条方の岡見氏・江戸崎土岐氏らと激しい攻防を続けた。北条氏も、佐竹氏・多賀谷氏らの反北条勢力を制圧するため何度も常陸南部に侵攻を繰り返したが、その都度撃退された。1590年の小田原の役では、重経は結城晴朝、水谷勝俊らと小田原に参陣して秀吉に拝謁し、役後、下妻6万国を安堵された。重経は、長男三経を差し置いて、佐竹義宣の弟宣家を養嗣子として迎え、下妻多賀谷氏の当主とした。一方、三経は太田城を築いて居城とし、結城晴朝の家臣となった。この結果、多賀谷氏は二系統に分裂することとなった。関ケ原合戦の際、重経は上杉景勝に通じた為、徳川家康によって改易された。戦後の論功行賞で、多賀谷三経は主君結城秀康(徳川家康の次男)に従って越前に移り、越前松平氏の重臣となった。一方、多賀谷宣家は佐竹義宣に従って出羽秋田に移り、改めて岩城氏の名跡を継いだ。重経は流亡の生活を送った挙句、井伊家に仕官した末子茂光を頼って彦根に住し、そこで生涯を終えた。1606年、徳川頼房が10万石で下妻城に封じられたが、1609年に水戸城に移った。1615年に松平忠昌が、翌年には松平定綱が下妻に封じられたが、定綱が遠江掛川城に移封になると一時幕府直轄領となった。その後1712年に井上正長が下妻に入封して陣屋を構え、幕末まで陣屋支配が続いた。

 下妻城は、一時期強勢を誇った下妻多賀谷氏の本拠であるが、多賀谷氏のこの地での足跡と同様、ほとんど完全に消え失せている。元々は低湿地帯に囲まれた浮島のような城で、天険の要害であった。戦後の航空写真を見ると、本丸やその周辺の曲輪の輪郭がはっきりと残っており、その形を近代までとどめていたが、昭和36年の都市整備事業でその姿は失われてしまった。しかし、往時の航空写真とGoogleMapの航空写真を見比べると、各曲輪の痕跡が道路等に残っているのがわかる。本丸は現在の城址公園の位置にあり、公園東側の湾曲した道路は主郭塁線の名残である。また市民文化会館の西側に残る1m程の段差や、法泉寺周囲に残る段差も周囲の曲輪の塁線の跡である。もはや城とは思えない程変わり果ててしまっているのは、街中の平城の宿命のため、やむを得ないところなのであろう。
二ノ丸の塁線跡の段差→IMG_8095.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/36.184225/139.966185/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0l0u0f0
タグ:中世水城
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