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「男たちの大和」 [映画]

 先日、「男たちの大和」をテレビでやっていたので、レコーダーで録画したものを見た。予想していたこととはいえ、はっきり言って、期待に違わぬ駄作だった。大体、戦争映画が駄作になるのは、2通りのパターンがある。兵士や特定の将軍などを美化して描く場合と、お涙頂戴ものの皮相な人情ものにしてしまう場合である。「男たちの大和」の場合、後者の方である。
 お涙頂戴ものの場合、人間関係や心理描写に深みがなく、全く表面的に語られているに過ぎず、ただ肉親の情や友情に事寄せて涙を誘おうというものが多いが、その典型であった。なぜ彼らは水上特攻をしなければならなかったのか、だれがそう仕向けたのか、ほとんどまともに描かれていなかった。
 もう何年も前に、沈没した大和を捜索して、撮影に成功したとき、特集でテレビ特番が組まれたが、そのときのドキュメントの方がはるかに深い思いを抱かせた。特に、その番組の最後の方で、ゲストとして出演していた漫画家の松本零士が、亡き母のことを語り出して突如として慟哭しだしたときのことは、今でも忘れられない。出来損ないの映画よりはるかに説得力を持つ。せっかく渡哲也などの大物俳優を起用しているのに、その描き方の薄っぺらいことといったらどうしようもない。
 それから、この映画で心配だったもう一つの点は、史実がどれだけ忠実に描かれるか、であったが、これも落第。太平洋戦争の経緯は問題がない。水上特攻(正式には、菊水1号作戦という)の描写が問題である。なんか乗組員がほとんどアメリカ軍航空機の機銃掃射でバタバタ倒れているが、航空機による対艦攻撃の主力は、雷撃(魚雷攻撃)と急降下爆撃だろ?事実大和は、正式に確認されているだけでも魚雷17発以上、爆弾10発以上を食らっているはずだが、魚雷の命中シーンなんて1~2発しかない。しかもこのときのアメリカ軍は巧妙な作戦を立てていて、大和の防水区画への注水による傾斜復元機能を喪失させるため、左舷からの魚雷攻撃を集中して行ったのである。そのため、あっという間に右舷の防水区画はすべて水で埋まってしまい、もはや傾斜を止めることができなくなったのだが、そんなこと一言でも触れられていましたっけ?それから被弾して火災が起きたら、消火活動をするだろ?太平洋海戦史を紐解くと、被弾した際のダメージコントロールが優れていたために、沈没を免れた艦がいくつもある。史実を知っている目からすれば、もう途中からしらけムード。あらためて先日ブログに書いた「トラ・トラ・トラ」という映画の史実を直視した優秀さがわかる。
 いい加減、そろそろこういう戦争映画をつくるのはやめてもらいたいものだが、やはり日本人というのは民度が低いのだろうか?いまだに歴史事実を直視できないバカな政治家が多いし。南京大虐殺なんて、虐殺された人数が問題なのではない。やってはいけない戦争を始めて、しかも前線の軍司令官が独断で戦域を拡大させ、南京まで攻め入ってしまったことがそもそもの問題なのだが・・・。


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